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衣裳・美容について

花嫁のお化粧について

お嫁さんといえば水化粧の白塗りでした。白粉(おしろい)を水で溶いた水化粧を刷毛で塗り、顔・うなじ・手にもお化粧を施しました。歌舞伎のお化粧に近いかもしれません。

白ければ白いほど美しいと思われた時代がありました。白い肌に紅を引いた唇が際立ちます。紅は魔除けの色とされ、目の周りもいくらか紅を施します。祭礼の時のお稚児さんや七五三の女児のメイクにも見ることが出来ます。

現在は洋装と同じファンデーションを使い自然に仕上げることが多くなりまいた。

白無垢の場合は肌がくすんで見えないように多少白めに仕上げる事が多く、襟足・うなじから首、腕から指先には現在も水白粉が用いられます。また色打ち掛け・黒引き振り袖など色のついたお衣装にはお肌を自然に仕上げ華やかにすることもあります。

水化粧にしても現代風の化粧にしてもノリを良くするため事前に産毛そりを施し、なめらかな美しいお化粧に仕上げます。

男性も薄くメイクをする方が増えてきており、眉の形を整え額・頬・鼻・耳の産毛を剃ると顔肌が明るくなり目鼻立ちがはっきり見えるようになります。

髪型(ヘアスタイル)について

花嫁の伝統的な髪型である文金高島田のかつらを用いることが多く、最近は自毛の日本髪、洋髪ヘアスタイルで挙式される方も多くなりました。自毛の日本髪の場合着物を着ると髪型のバランスが小さくなるので半かつらがお勧めです。

文金高島田について

下記、"文金高島田とは"を参照

文金高島田とは

明治時代から花嫁の髪型として定着し、江戸時代全期を通じて大いに流行したとされる文金高島田。島田髷は未婚女性の髪型の代表とし、丸髷は既婚女性の代表でした。何故、文金高島田は当時の女性達の心を掴んだのでしょうか。何故、現代まで伝わり続けているのでしょう。

当時の女性達の間にも現代と同様にファッションリーダー的なセレブ(武家の娘、他)たちがいました。彼女たちの間で、流行った事をきっかけに、花嫁の髪型として定着したとされています。(※注意:詳しいことは明確にされていない為、断言はできません。)

では、文金の由来ですが様々な諸説ございますが伝えられている説をいくつかご紹介いたします。

①文金とは、八代将軍(徳川吉宗)の頃、貨幣の改鋳(かいちゅう)があり、その時の小判を文金と呼んでいました。文金風という名称は、その時から始まりました。今までの島田より根が高く、インフレで物価の値上がりとかけたという説があります。

②男性の髷型である「文金風」から始まり、その髷の高さから優雅とされていました。次第に女髷に移り、 根を高く結ったものを当時では「上品」とし、 高島田・文金島田となり、花嫁や御殿女中の髪型になりました。

③その他
・寛永頃の京都四条の島田花吉という女歌舞伎役者がはじめた髪形。
・歌舞伎の島田甚吉・万吉の髪型。
・「しまだ」は、「締めた」という語の訛。
※上記の他にも説はあるそうです。

では、当時の文金高島田と現在の文金高島田の形は、全く同じ形なので しょうか?残念ながら大きさ・形は全く違います。しかし、唯一文金高島田の特徴は現在も同様です。

それは、文金高島田の根の位置です。当時、文金高島田が愛されたのは根の位置の高さにありました。これは、品の良さ・格調高い雰囲気にありました。また、現在では、安定感・落ち着きを感じさせてくれます。

綿帽子

花嫁が白無垢を着る際、文金高島田を結った頭の上に被る袋状の白い布。

小袖を頭から被って着られていた「被衣(かづき)」が起源とされ、「新郎以外の人に顔を見られないように」という風習から花嫁専用の頭飾りとして定着しました。

角隠し

文金高島田を結った髪の前髪から髷(まげ)の後方にかけて被せる帯状・幅広の布のことを言い、かんざしと合わせます。

色打ち掛け・本振り袖に着用する。白無垢に着用しても構いません。

元来、武家女性や御殿女中が外出の際に使用され、明治期より格調高い装飾品として花嫁衣装に使われるようになりました。「角を隠し、従順に従うという意味もあります。」

綿帽子・角隠し共に結婚式のみに使用されたものではなく、埃よけや防寒のため日常でも使われていました。しかし結婚式には必ずこの髪飾りが用いられていることから、もう一つの意味が考えられます。

この髪飾りは頭につける「鉢巻き」という意味です。我が国の風習では鉢巻きをするのは汗止めではなく、神様から霊力を分け戴く時という考え方です。神事・祭の時の冠や鉢巻き・合戦に赴くとき・病気の時など神徳を戴こうとする際に鉢巻きを締めて祈るのです。結婚式の時、男性は紋服という礼服であり、特別な結婚衣装ではありません。警察官や自衛官など礼服のあるお仕事であればそれを着用する事が望ましいのです。しかし花嫁の白無垢は結婚式の為の特別の衣装であり、小忌衣(おみごろも)「清らかな装い」としての祭着です。綿帽子・角隠しの意味は女性だけが戴かねばならない神徳「子宝を授かること」にこそあるのだと思います。

注) 「忌」という文字は、神聖なもの・不可侵なものに対する「畏れはばかる」心を示す文字であり、凶事、縁起の悪いことばかりを意味する文字ではありません。

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