松竹梅
吉祥文様(縁起が良い文様)として有名な松竹梅。 松竹は冬の寒さに耐えいつも緑を保ち、梅はいち早く花を咲かせることから、めでたい文様として祝儀には欠かせないものとなっています。
菊
太陽になぞらえ百花中の最上位とされている菊は、皇室の御紋にも使われています。 延命長寿や万代に子孫の繁栄を願う気持ちが込められています。
桜
日本の国花である桜。栄(さかえ)、盛(さかり)、幸(さち)などの繁栄を表す言葉が語源とされる説や、咲き誇るように花をつけるので咲き麗(さきうらら)から変化したという説があります。 季節を問わず使われるようになったのは最近の傾向です。
牡丹
小さな蕾から大きな花を咲かせることから牡丹の柄は「高貴」を象徴しています。 牡丹の花は蓬莱(ほうらい)という中国伝承の理想郷に咲くと花とされています。 そのため「嫁ぐ先が蓬莱のように幸せでありますように」という幸せを願う思いも 込められています。
花車
花で飾った御所車、四季の花を盛り込んだ籠を積んだ車など様々な表現があります。 いずれも華麗な古典柄として着物や帯などに多く使われています。
雪輪
日本では雪を豊年の象徴としてきました。 雪輪の中に違う文様を入れたり、文様の区切りに用いたりします。 能装束を含め、多くの着物や帯に使われる文様です。
扇面
人間の魂はじっとしていると底に沈むという発想や習わしから、魂を振り動かす目的で考案されたようです。 末が広がることから吉兆の意味になぞらえ縁起の良い文様とされています。
鶴
”鶴は千年、亀は万年”ということわざを聞いたことがある方は多いと思います。 これは中国の不老不死の仙人が鶴と亀をしもべとしていたことから生まれたことわざです。 このことから「長寿」の縁起物として鶴は描かれています。 着物では同じく長寿を示す「松」と一緒に描かれていることも多いです。
鳳凰
古代中国に伝わる霊鳥で、世の中に聖者が現れた時のみ出現飛来するといわれていました。 鳳凰は王権の象徴ともいわれ貴族に幅広く愛されました。
おしどり
「君子万年(長寿を祈る語)」を寿ぐめでたい鳥として、また夫婦円満の象徴とされてきました。 柄の歴史も古く、奈良時代の正倉院の中にも残っています。
梅
梅の花は寒さを耐え忍び、春一番に美しい花を咲かせます。 そこから「忍耐力」「美しさ」の象徴とされ、「厳しい状況でも笑顔を絶やさない」 という意味が込められています。
四君子
四君子とは、蘭・竹・菊・梅の4つの模様が一緒に描かれた吉祥文様です。 君子とは中国でいう〈徳が高く学識に優れ品位のある人〉のこと。 徳のある草木を「君子に必要な資質」になぞらえて「四君子」となっています。
蘭:善人は蘭の如し 王者の香りあり
竹:虚なるによりて益を受く
菊:身を軽くし気を益し、人の寿を延ぶ
梅:寒なれど秀、春来たるを率先して報ず
「気品があり清楚」な蘭、「まっすぐに伸びる純粋さと嵐にも負けない頑固さ」を持つ竹 「多様な品種から様々な姿を見せる」菊や、「冬に咲き、人々にやすらぎをもたらす高貴」な梅 4つの植物がそれぞれの君子の特性を持つことから四君子という名前が付けられています。